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マーケティング施策の検討フレームワーク|要求・要件を定義する

検討フレームワークとは何か

マーケティング施策の検討方法について聞かれることが多くなってきたので、今回はマーケ施策の検討フレームワークについて書きます。自分が施策を検討するときや、他の人の施策をレビューするときに、どういう要素を気にしているかをフレームワークとして整理しました。

マーケ施策に限らないのですが、施策を検討したときに「もっと大きなチャレンジができるのに、できることで小さく収まってしまった」とか、施策を実行したときに「新しい手法でいいと思ったけど、自分のビジネス課題を解決するものではなかった」とか、そのような経験がある方におすすめです。

早速ですが、検討フレームワークの全体像はこちらです。聞き慣れない言葉もあると思いますので、用語を含めて順に解説していきます。

課題

まずは、お馴染みの課題・施策・効果です。施策検討時に「課題を設定し、施策(何をするか)を考え、効果を見立てる」をされている方は多いと思います。施策の手法がすごいものだとしても、ビジネス課題がなければ成立しないですし、効果がなければ意味がありません。

経験上、この3つの中ではビジネス課題が最も大事で、解決すべきビジネス課題が見つからなくて失敗することはよくありますが、施策の手法には松竹梅あるので、解決すべき課題さえあれば施策はどうにか見つかる印象です。

次に、施策の前提となる事業目的・戦略・戦術です。赤字を出しても事業成長のためにシェアを取りに行くのか、それとも利益を出すことが重要なのかによって、マーケ施策に求められること=マーケ施策が解決すべき課題は異なります。マーケティングは事業成長のための手段でしかないので、マーケ施策は事業目的や戦略を踏まえて検討する必要があります。

要求と要件

このフレームワークでは、課題を理想と現実のギャップと定義します。施策(できること)は一旦忘れて、理想(あるべき状態)を妄想してみましょう。そして、描いた理想と現実の差分になっているかという観点で、課題を見直します。

この作業によって、当初課題と考えていたことが実は課題ではなかったとか、解決できそうなことで小さく課題を設定してしまっていたとかに気付くことができます。適切でない課題設定からよい施策が出てくることはありませんので、理想から課題を考えることは大事なプロセスです。

次がこのフレームワークの本丸です。課題と施策について、ビジネス要求と施策要件で精度を上げます。要求や要件という言葉に馴染みのない方もいると思います。

  • ビジネス要求とは、ビジネス課題を解決(=理想を実現)するために、施策によって達成すべき条件
  • 施策要件とは、ビジネス要求を満たすために、施策として何をすべきかの条件

システム開発に当てはめてみると、要求は企画者(マーケター)が何を得たいか、要件は開発者(エンジニア)が何をすべきかを意味しており、要求と要件はどちらの立場から見た条件かという違いです。

シンプルな施策だと、課題≒ビジネス要求、施策要件≒施策になる場合もありますが、通常、ビジネス要求は課題を具体化したもの、施策要件は施策を抽象化したものになります。

課題と施策の間を、ビジネス要求・施策要件でつなぐことによって、課題とビジネス要求、ビジネス要求と施策要件、施策要件と施策、それぞれがズレなく対応しているかを確認し、課題と施策の精度を上げましょう。

最後に制約と検証です。施策の所与の条件がある場合には、それが施策の制約になります。例えば、予算がいくらしかない、クライアントハレーションリスクを避けないといけないといったケースが考えられます。施策の要件を検討する際には、制約を抑えておく必要があります。

また、効果を検証するための設計も忘れてはいけません。説明責任を果たすために検証設計は大事ですが、正しい効果を測定すること自体が困難なタイプの施策もあり、検証設計は案外難しいです。検証設計においては成功とは何かを定義し、組織として施策が成功したか失敗したかを判断できるようにしましょう。

まとめ

ざっと流す感じになりましたが、マーケ施策の検討フレームワークの説明は以上です。施策を検討することは、要求・要件を定義することに他なりません。ポイントは、理想・要求・要件には上下関係があるということです。実際あったケースですが、「要件を満たすことが理想である」という下位の概念(要件)で上位の概念(理想)を説明することは、このフレームワークから逸脱しています。

上位があって下位がある、つまり、理想があってビジネス要求がある、ビジネス要求があって施策要件があるということがこのフレームワークの本旨です。上段(理想や要求)から施策(要件)を考えることが大事ということですね。

このフレームワークを使う中で言葉の意味に迷うこともあると思いますので、主な用語の定義をまとめおきます。

  • 理想:あるべき状態(To Be)
  • 現状:今の状態(As Is)
  • 課題:施策によって解決すべき理想と現状のギャップ
  • ビジネス要求:課題を解決(=理想を実現)するために、施策によって達成すべき条件(企画者側の視点)
  • 制約:施策に与えられた前提、つまり所与の条件
  • 施策要件:ビジネス要求を満たすために、施策として何をすべきかの条件(開発者側の視点)

最後に、施策検討ワークショップ(研修)をしたときのワークシートを共有します。概念だけを聞いても、検討フレームワークの良さは伝わらないかもしれません。そういう方は自分の仕事を例に、ワークシートを使って実際に手を動かしてみて、上から下に(理想から施策を)考えていくという流れを体験してみてください。

※アイキャッチ画像は沖縄県南城市の知念岬から撮った写真(空に吸い込まれそう)

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この記事を書いた人

霞ヶ関を経て、現在はメガベンチャーのBtoBマーケティング組織の部長
筑波大学ビジネス科学研究科博士課程修了(博士(経営学))
得意分野は、施策効果の検証、インセンティブ最適化、セールス生産性の改善といったデータサイエンス活用

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